表参道眼科マニア

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レーシック後の白内障手術

   

近年問い合わせが増えているのが、レーシック手術を受けた後の白内障手術です。
日本でレーシックなどのレーザーを用いた屈折矯正手術が始まってから約20年。
当時40代でレーシックをした人も60代に突入しているということになります。
60代で白内障を発症している確率は約70%と言われていますので、そう考えるとレーシックを受けた人の中にも、白内障手術を必要としている人が出てきても不思議ではありません。

しかし、レーシックのように角膜形状を変化させて屈折矯正手術を行った場合、角膜の屈折力を一般的な眼内レンズ計算式に当てはめてそのまま計算すると、当然のことながら白内障手術後の屈折は、目標の屈折値よりも大きくズレてしまいます。

特にオートレフラクトメーターの角膜屈折値だけで手術をしてしまうと、かなりの誤差を生じます。
レーシックなどで角膜を削ってしまうと前面の屈折値は変化するのに、後面の屈折値は変化しないので、計算上の屈折値に誤差が生じてしまいます。
そのため角膜形状解析装置(TMSやOPDスキャンなど)で角膜屈折力などを確認することが重要です。

また、一般的に用いられるSRK-T式の場合は、眼軸と角膜屈折力から前房深度を計算で算出しますが、角膜屈折力に誤差を生じているために、さらにここでも誤差を生じてしまいます。
そのためレーシック術後は大きな矯正誤差が出てしまうのです。

しかし最近ではレーシック手術後にも対応した眼内レンズ計算式(Camellin-Calossi式、A-P法、Haigis-L式など)も出てきているので、対応できる施設も増えていますが、まだ少ないのが現状です。
もしレーシック術後の白内障手術を検討するならば、経験がある施設を探して依頼するのが良いでしょう。

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