表参道眼科マニア

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アンチエイジングシリーズ~その④ アスタキサンチン

      2014/08/25

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アスタキサンチンは、βカロテンの一種でエビやカニ、いくらなどの赤色の色素です。
この赤い色は藻類が作り出しています。それをエビやカニが食べ、さらにはサケがそれらを食べています。
動物はアスタキサンチンを自ら作り出すことはできません。第一生産者であるヘマトコッカスと呼ばれる海の藻類をオキアミなどの動物プランクトンが食べ、さらにエビ、カニ、魚類、というように食物連鎖によってさまざまな生物の体に取り込まれています。
サケはもともとマスと同じ白身魚ですが、アスタキサンチンを筋肉中に溜め込んでいるために赤色に変化します。産卵のために川を遡るサケは、たくさんの酸素を取り込むので体内で絶えず活性酸素が発生し、筋肉に大きな負担がかかります。そのストレス、つまり活性酸素を消去するために筋肉中にたくさんのアスタキサンチンを備えています。

抗酸化物質がすべての活性酸素を消去できるのではなく、活性酸素ごとに効果がある抗酸化物質が存在します。酵素、ビタミンE、ビタミンCなどが、それぞれが異なる活性酸素を消去し、体内で抗酸化を行っています。アスタキサンチンの抗酸化作用はとても強力でビタミンCなどでは通れない血液脳関門を突破し、脳の衰えを防ぐとの報告もあります。

【アスタキサンチンの効果まとめ】
・脳~赤血球の変形能を向上、虚血性脳卒中の発病率減少、記憶力改善
・目~眼精疲労を軽減、網膜、脈絡膜の血流改善、ブドウ膜炎、白内障術後酸化損傷軽減
・皮膚~UVによるシミ、しわ、たるみを防ぐ
・循環器~血圧上昇、脂質沈着、動脈硬化進行抑制
・筋肉~運動後の回復力向上
・毛細血管~血液流動性改善

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